社会不安障害(SAD)の治療法
社会不安障害(SAD)の治療法には、大きく分けて薬物療法と認知行動療法の2つがあります。
実際の治療では、この2つの治療法を併用して行っていきます。
薬物療法

現在、社会不安障害(SAD)の詳しい原因はまだ解明されていませんが、生物学的見地からドパミン系の機能異常やセロトニン系機能障害(主としてシナプス後5-HT受容体の感受性上昇)など、様々な神経伝達物質が相互に関与することによって病態を形成しているものと考えられています。
薬物療法では、セロトニンのバランスを整える、SSRIという薬を中心に使って治療していきます。
SSRIの治療効果は一般的に1~2週間後にあらわれはじめます。
そして、服用し始めて3~8週間のうちに症状が次第に改善していきます。
SSRIには、服用し始めて1週間のうちに、軽い副作用が現れます。
この副作用は、眠気やむかつき等の症状ですが、一過性のものです。
2週間前後で急速に軽減していきますので、心配はいりません。
また、依存性もありません。
認知行動療法
認知行動療法とは、間違った考え方を正すことで不安を和らげ、今まで避けていた状況に立ち向かう方法を身につける治療法です。
対話療法ともいい、医師やカウンセラーと一緒に行っていきます。
不安を生じさせやすい思考パターンを変えたり、不安にとらわれないような対処術を学んだり、不安を感じさせる場面に慣れるように訓練していきます。
認知行動療法には患者さまのかなりの努力が必要であったり、長期間の治療を要することもあります。
認知行動療法の種類
■エクスポージャー

擬似的に不安症状を引き起こす場面や状況に自分の身を置き、不安症状がおさまるまで十分な時間、その状況に身を置き続けることを繰り返して、不安症状・回避行動を和らげます。
■ソーシャルスキルトレーニング
社会不安障害(SAD)の患者さまは人との付き合い方が苦手な人が多いので、実際に社交的な場面において、どのように人と接するのかを練習します。
■不安対処訓練
不安症状が起きてしまった場合の対処法を学びます。
リラクゼーションや、呼吸法などがあります。
■認知修正法
自分が変なことをして他人に不快な思いをさえている、といった考え方が本当に正しいのかどうかを考えなおしたり、再度見つめたり、実施に確認することで修正していきます。
薬を使って症状をなくし、その状態で日常生活に自信をつけていくことで、将来は薬を使わない生活へと導いていきます。
薬を使って心に余裕が出てくることで、自信がつきます。
自信がつくことで性格が前向きに変わり、生活が変わっていきます。
SSRIのほかに、即効薬として処方されるお薬があります。
薬を服用すると、今まで緊張していた場面で、ほとんど緊張を感じなくなります。
個人差はもちろんありますが、発表やスピーチを「成功」させることができた、という方もたくさんいらっしゃいます。
実はこの“成功体験”こそが自信へとつながり、不安や緊張を生じにくくさせるのです。
やがては薬がなくても、緊張せずにふるまうことができるようになります。
積極的に薬を使い、“成功体験”を重ねることも大切です。

