あがり症や赤面、ふるえ、動悸など社会不安障害(SAD)の方へ正しい治療で快適な生活を送るための情報サイト。

お薬による治療

現在、社会不安障害(SAD)の詳しい原因はまだ解明されていません。
しかし、生物学的見地からは、ドパミン系の機能異常やセロトニン系機能障害(主としてシナプス後5-HT受容体の感受性上昇)など、様々な神経伝達物質が相互に関与することによって病態を形成しているものと考えられています。

私たちの脳の中には140億の神経細胞(ニューロン) があり、その神経細胞の先に「シナプス」という神経 伝達物質(ドパミンやセロトニンなど)をやり取りする 器官があります。
シナプス同士は密着しておらず、互いに神経伝達物 質を放出したり、受け取ったりしながら情報を伝達し ています。つまり、シナプスとシナプスの間を、ドパミ ンやセロトニンがすごい速さで行き来している、という イメージです。

社会不安障害の方の場合、この、シナプスとシナプス の間の空間のセロトニンの量が少なくなっている、と 考えられています。

そこでお薬による治療では、セロトニンのバランスを 整える、SSRIという薬を中心に使っていきます。
お薬でセロトニンのバランスを整えることにより、過剰で あった緊張や不安が、通常の緊張や不安に戻ります。
すると、以前のような過度の不安や緊張に悩まされる ことが無くなるため、発表やスピーチを「成功」させる ことができるようになります。人間とは不思議なもので、 このような「成功体験」が続くと、自然と自分に自信がついてきます。

実はこの「自信」こそが、不安や緊張を生じにくくさせるのです。
ですから、積極的にお薬を使って「成功体験」を重ねていくことはとても大切です。
お薬を一定期間飲み続けると、脳内のセロトニン環境は変化し、減薬してお薬を卒業してもセロトニンのバランスは保たれるようになります。
また、その頃にはもう充分な自信もついていますから、お薬がなくても、緊張せずにふるまうことができるようになっています。

このような脳内のセロトニンバランスと「自信」 により、治療を終え、お薬を卒業しても社会不 安障害の再発を防ぐことが出来るのです。
お薬を飲むことに抵抗を感じる方もおられるかも しれません。
しかし医学の進歩に伴って、今では副作用が少ない新世代のお薬が登場し、社会不安障害の改善に役立っています。